前原メモ

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【デュエプレND】光臨イエスリリィの書【紹介編】

はじめに

 

今回は、私が刃鬼~カツキングカップでずっと研究してきた「オラクル」のデッキを紹介する。

 

思ったより長くなってしまったので、プレイング等はこちらの記事にまとめた。本記事では構築経緯やカード紹介を中心に行なっていく。

 

 

構築

 

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限られた手段でしか除去されない《パーフェクト・リリィ》を光臨ギミックでバックアップする中速ビートダウンである。

《オール・イエス》が入っているが、イエスコントロールというよりはトリガービートの亜種。3コストのアタッカーでアドバンテージを稼いでいく様は《ガントラ》を彷彿とさせる。《マントラ》だけに。

(本当か?)

 

構築のきっかけと過程

 

もしかしたらご存知の方もいるかもしれないが、私は当初「墓地ソースが使いたい!」と言っていた。そんな私が何故真逆のテーマともいえるオラクルを研究することになったのか。折角なのでお話しさせて欲しい。

やや長いので興味がない方は目次からカード紹介に飛ぶことをおすすめする。

 

はじまり

 

きっかけは「デッキビルド杯」だった。

 

入賞したいがどうにもいいデッキが思いつかず、ヤケクソで1つのデッキを投稿したのだ。

それが、「これもうリリィだけで勝てんじゃない?」という、攻撃を《リリィ》に任せたトリガービートである。あまりに適当なレシピで恥ずかしかったので画像は消してしまった。

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かつて某デュエマサイトに「これもうシャッフだけで勝てんじゃない?」という、素晴らしいデッキがあった。上記のデッキはそれに感銘を受けたオマージュデッキとなっている。

過去に《オンセン》や《パフェストXX》に触れたことで耐性持ちクリーチャーの強さは知っていた。とはいえ「正直リリィだけじゃ勝てねえだろ…」という冷静な自分がいたのも事実だった。

 

その後、資産のなかった私はネタにするつもりで上記のデッキを回してみるわけだが、なんと、

本当に《リリィ》だけで勝ててしまったのだ。

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圧倒的場持ちの良さと、アタックトリガーによる突破力。思っていた以上にこいつはやばいぞと気付いたのがこのタイミングだった。真剣に考えてみるかと思った。

後に知ったことだが、あのささぼー氏も《リリィ》を評価していたらしい。この事実は素直に嬉しかった。

 

それから数日。私はランクマッチに勤しみ、いくつかの発見をした。ざっと挙げると、

 

・オラクルはやはりトリガービートの系譜である

・《リリィ》にアクセスするため光臨は欲しいが、4コストサイクルは遅い

・攻め、受け共に活躍する《オールイエス》が重要なパーツ

・《リリィ》を通す為、盤面に干渉できるトリガーを優先的に採用するべき

 

こんな感じだろうか。

これらを考慮して組み上げ、私がレート1600に乗った構築がこちらである。

 

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嬉しいことに良い結果が出せた為、私はこれで完成でいいかなと考えた。

 

…だが、オラクルの研究はもう少し続くこととなる。

 

シャイニーホールとの出会い

 

シーズンが変わり、「カツキングカップ」が始まった。

 

私はADで「ドラゴンフレンドカチュア」と戯れていた。オラクルとは全く異なる使用感が気持ち良く、次はこれを煮詰めてみようかな…などと考えていた。

そんな時、ひとつのツイートが私のタイムラインに流れてきたのである。

 

 

!!!

 

なんということだろう。FF外の実力ある方(現在は相互フォロー、使っていただきありがとうございます本当に…)が私のデッキをアレンジしてレジェンドタッチをしてくれたのである。1デッキビルダーとして、とても嬉しく光栄なことである。

しかも、デュエプレ選手権で優勝した選手が使う可能性もあった…??

 

私はすぐにこの構築を回した。

特に気になったのは《シャイニーホール》

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私はレート1600に到達するまでかなりのカードを試したが、このカードは採用しようと考えなかった。このカードの使用感次第では、まだ見えていない景色を見ることが出来る…そんな予感がした。

そして私は口にすることとなる。

 

《シャイニーホール》、強すぎる…

 

と。

 

《リリィ》の攻撃を通す補助カードとしての性能はもちろんのこと(タップと《プリン》で2体に触ることができる)、《イエス》と相性が良いわ、《ギャラクシー》がサイキック版《リリィ》として機能するわ、《バゴーンパンツァー》を絡めてリソース補給カードになるわ。上記ツイートに書かれている《学校男》+《ギャラクシー》のSA生成ギミックも多用こそしないが強力だった。

このカードの入ったオラクルは私の作ったものよりワンランク上の強さになっていると確信、私は上記デッキをベースに自分が回しやすいように微調整し、NDランクマッチに挑んだ。

 

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その結果がこちらだ。かなり余裕を持ってのマスター到達。《シャイニーホール》が本当に強かった。

今回の一連の流れはSNSの良いところが色濃く出たように思う。私はSNSがあまり得意ではないそもそも人と関わるのがあまり得意ではないのだが、今回ばかりはSNSに感謝することとなった。

 

だが、まだ終わらない。オラクルデッキは、あと一回だけ変化する。

 

白入りシューゲイザーとの出会い

 

突然だが、オラクルVSシューゲイザーはどちらが有利に思えるだろうか。

 

答えはオラクル。詳しくは「実戦編」の記事に記載するが、シューゲイザーデッキの基本型ともいえる「デアリシューゲイザー」には明確に有利である。

《エンターテイナー》を《キナコ》で咎めるだけで光臨が決まり、相手の攻撃は厚い盾でいなせるのだから当然といえば当然だ。

ラクルがトリガービート気味に組まれている理由の1つは、「デアリシューゲイザーに安定して勝ちたいから」だったりする。

 

しかし、カツキングカップ中盤~終盤にかけて登場した「白入りシューゲイザー」は、同じようにはいかなかった...

 

 

↑参考。

 

《リリィ》に有効なシールドトリガーのオンパレード。なんだこれは。

これだけ盾が厚いとシューゲイザー側に複数回攻撃チャンスを与えてしまうことは必至である。実際に《DNA・スパーク》の連打で敗北を喫することとなり、相性有利ではなくなったと痛感することとなった。

 

そして私は考えた。

 

これシールドトリガー17枚もいらないな

 

と。

 

ここまでトリガーを盛っても貫通される以上、過剰なトリガーは無意味。その枠に能動的に使いやすい妨害カードを入れた方がデッキの質が高まると判断した。

そうして完成したのが冒頭で紹介したレシピである。

 

 

↑再掲。

 

《特攻人形ジェニー》を採用することで相手の派手なアクションを未然に防ぐ方向にシフト。間接的に「4cヴィルヘルム」などのターボデッキにも気持ち戦いやすくなった。非常に納得いく仕上がりになったと自負している。

 

採用カード紹介

 

特攻人形ジェニー

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環境の変化により入ってきた最後のピース。

役割は序盤の妨害と相手が握っている切り返し手段の剥奪。

基本的に3ターン始動だったオラクルデッキにとってこのカードの加入は革命的である。

学校男

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盤面が埋まることの回避、《リリィ》と組ませてパンチ力強化(場を離れない《リリィ》を破壊対象にすれば場に残しやすい)、敵獣除去と様々な仕事をこなしてくれる縁の下の力持ち。

《マイパッド》《メイ様》といった放置できない軽量システムクリーチャーを焼ける点も素晴らしい。

至宝オール・イエス

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《カリーナ》をはじめとする、強力だがパワーに難のあるオラクルを劇的に強化してくれるクロスギア。速攻・ビートダウンが少しでも控えめな動きをしたら最後、このクロスギアによってなすすべなくリソースを枯らされることとなる。

ハンデスによる堅実な攻めが注目されるカードだが、このデッキにおいてはブロッカー付与も非常に重要。現環境は《リリィ》をブロッカー化することが詰め筋となる状況が多発する。

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小型ブロッカーを突破するのにも便利。《スパエメ》の他には《ベリアルワーム》などがいる。

マントラのイザナイ・カリーナ

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デッキのメインエンジン。これが3ターン目に出せるか否かで出力が大幅に変わってくる。(これが出せない時、どう手打ち《リリィ》まで持っていくか考えるのもそれはそれで楽しいが)

出せるカードは《カリーナ》《フリル》《ミョウガ》《キナコ》《リリィ》の5種17枚。主役であり踏み倒しメタがいても平然と出せる《リリィ》、除去を放ち数的有利をとれる《キナコ》を出すことが多い印象。1ドローできる《フリル》も悪くない。

光厳のカルマ・フリル

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ターボデッキへ最低限の抵抗ができるカード兼、貴重なリソース補充カード。《リュウセイホール》や《ガチンコジョーカー》といった大型呪文の詠唱タイミングをずらし《リリィ》に繋ぐ大切な役割を持つ。

ドロー効果によって中盤以降連打しやすいカードである点も魅力的。打点を雑に増やしつつ、有効カードを引けるとおいしい。

環境にはあまりいないが、ハンデスデッキは《フリル》連打で大体沈む。

闇嚙のファミリア・ミョウガ

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3コスト帯傘増し枠。3ターン目にオラクルを出せるかどうかで《キナコ》のバリューが大幅に変わるため、可能であれば2~3コストオラクルはたくさん入れるべきというのが持論である。

能力はさほど強くない(呪文主体のデッキには刺さるが大抵《フリル》で良い)のが惜しい。

死海秘宝ザビ・デモナ

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VSリキッドピープル最終兵器。《デモナ》+《イエス》が揃うと進化リキピすらトンカチする最強ハンデスクリーチャーが爆誕する。

手打ちでも少し弱い《キナコ》のようなスペックはある。

出せるカードは以下。

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王様のファミリア・キナコ

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デッキをオラクルで固める理由は実はこいつにあるんじゃないか?と思うくらいイカレているシールドトリガークリーチャー。

《エンターテイナー》程度であれば余裕で溶かせるし、なんなら《オレオレ・ダークネス》クラスのクリーチャーも溶かしたことがある。《ヴィルヘルム》までいくと厳しいかなという印象。(大体《イエス》が盤面に鎮座しているのでそれはそう)

手打ちしてもトリガーしても光臨しても強い辺り、MRCの《ヤミノオーダー》の系譜だなと思う。デュエプレ運営はテーマデッキの補完要員を作るのが上手いよなぁ。

純潔の信者パーフェクト・リリィ

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このテキストだとわかりにくいが、「このクリーチャーが場に出た6ターン後、自分はゲームに勝つ。味方が多ければもっと早くゲームに勝つ」と書いてある。場を離れずブロッカーにも強いアタッカーというのはそれくらい強力なのだ。

本当に場を離れないのか?と思われるかもしれないが、現ND環境において《リリィ》を破壊できる手段は、

 

・ローズ・キャッスル+a

・王様のファミリア・キナコ+a

・サンダー・ティーガー+a

・希望の親衛隊ファンク+a

・ディス・アダラ・ドラグーン+a

・神滅無双デラット・バラッド

・狂気の覚醒者ランブル・レクター

・神炎の影グレイブ・ディール

・ブラック・WILLOW・カイザー/シャチホコ・GOLDEN・ドラゴン

・魔光大帝ネロ・グリフィス・ルドルフ(デュアルザンジバル

・神人類ヨミ(封魔左神リバティーンズ

 

これくらいしかないのである。単体で除去できるものを太字にさせてもらった。

《パーフェクトマドンナ》も然りだが、2500というパワーが本当に絶妙だ。

超次元シャイニー・ホール

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汎用性抜群の超次元呪文。私はこれまで《シャイニーホール》は他の5コスト超次元呪文サイクルと比べるとスペックで劣ると考えていたのだが、考えを改めざるをえない。

ここまで飛ばさず読んでくれた方にとっては繰り返しになってしまうが、このカードはざっと挙げるだけでも

 

・タップ+aで《リリィ》の攻撃を通す

・《イエス》と組み合わせての質の高いハンデス

・サイキック版《リリィ》こと《ギャラクシー》での詰め

・《バゴーンパンツァー》を設置してのドロー

・《学校男》+《ギャラクシー》によるSA生成

 

これだけの仕事を担っている。やれることが多すぎる。なんで最初から使わなかったんだ…

このカードが強すぎるが故《カルマ・スタバック》入りのオラクルはどうしても組めなかった。

ちなみに出せるカードは以下。攻める時は《ギャラクシー》、溜める時は《バゴーン》《シャチホコ》と思えば良い。《プリン》のみ攻守共に活躍するのでやや扱いが難しい。

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DNA・スパーク

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最強のシールドトリガー。

《クロック》と比較されがちなカードだが、手打ちして《リリィ》の突破口を開ける点で大きく勝る。

おまけのようについているシールド追加も非常に嬉しい。《イズモ》や《ベガ》といったシールド追加カードを試したことがあるのだが、これだけで十分だと感じた。

余談だが、先日《スパーク》と《クロック》の比較表を作ってみた。自分の構築に必要なのはどちらか、これを見ながら考えてみてほしい。

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デーモン・ハンド

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確定除去シールドトリガー。

《永遠のリュウセイ・カイザー》《ジャバジャック》《5000GT》などを破壊しやすい点で《デスゲート》に勝る。環境次第だが今は《ハンド》で良さそうである。

(勿論《デスゲート》には《デスゲート》の良さがある。《ジェニー》や《学校》を使いまわせるのは強い)

 

プレイング

 

www.maebarasenuta.com

こちらの記事にて詳しく記述。

 

詰め方、守り方、ハンデスの仕方、盤面調整……様々なプレイの練度が試される。正直な話、めちゃくちゃに難しいデッキである。《リリィ》で殴っていれば勝てるんじゃね?から始まったデッキがどうしてこんなことに…

 

私自身、3試合に1回はプレミをしているレベルでまだまだだったりする。もう一度カツキングカップを開催してほしいくらいには消化不良である。

 

その他候補カード

 

上に同じ。

 

戦績

 

カイザー刃鬼カップ 1600超え

カツキングカップ  マスター

 

おわりに

 

珍しく(?)長めの真面目な記事を書いたが、いかがだっただろうか。

普段はここまで集中力が続かないので、それくらいこのデッキにハマっていたんだなと自分でも驚いている。

面白いな、使ってみたいなと少しでも思ってもらえたら幸いである。