私はデュエプレの《神滅竜騎ガルザーク》が嫌いである。
誰だお前。
嫌いポイントその1、テキストを詰め込み過ぎていて品がない。余白が無さすぎる。開発がラーメン二郎を食べながらデザインしたんじゃないかってくらいの盛り具合だ。ニンニク臭いぞ!
仮に「マナゾーンに置くときこのカードはタップして置く」の1文を加えることが義務付けられていたら、このカードは存在していなかっただろう...それくらいこのカードのテキスト欄は「濃い」。
嫌いポイントその2、本家ガルザークへのリスペクトが微塵も感じられない。「デュエプレ=魔改造」のイメージを定着させた元凶は絶対にこいつ。あまりに別人すぎて、全世界の前売券を買ってガルザークをGETしたオタクを敵に回したと思う。
本家の効果を知っているか?「攻撃されない」なんだよ。スピードアタッカーではないし、除去能力も持ってないの。デュエプレガルザークは血に飢え過ぎている。もう少し本家のような慎ましやかさを持って欲しい。本家は争いを好まない真逆の性能をしているんだよ。
嫌いポイントその3、強い。これだけ能力を詰め込んでいる以上当然といえば当然なのだが、このカードは強いのだ。インフレが進んだ今は良カードポジションに収まっているが、実装当時は明らかに"未来から来たカード"であった。
強いとどうなるか?ランクマッチに大量発生するのだ。今はそうでもないが、昔は本当にたくさんいたのだ。あの時代は「ダイヤモンド・ブリザードのような何か」「グライス・メジキューラのような何か」も相まってオリカマスターズだったな...
さて、そんな《ガルザーク》だが、こいつは近々スタン落ちする。俺は勿論名残り惜しいとは思わない。黒歴史は闇に葬られるべきなのだ。全決闘者が「ガルザークとは?」と問われたら「攻撃されない」と胸を張って言える...そんな世界はもうすぐそこまで来ている。
そう、名残惜しくなんてない。
ガルザーク4積みのデッキでランクマッチに潜っていたのは、名残惜しいからじゃない。《アガピトス》や《竜極神ゲキメツ》を破壊できる《ボルガウルジャック》が環境に刺さっていると判断したからだ。間違っても「ガルザークの脳筋さが手に馴染む...」なんて思っちゃいない。俺はアイツが嫌いなんだ。
しかしクソッ、どういうわけか《ガルザーク》との思い出が頭に染み付いて離れねェ。
連ドラでマスター到達するという目標を成し遂げた時。スタートチャージ10でチンパンジーになっていた時。デスフェニックスミラーでゴリ押しで勝った時。カチュアシュートでレジェンドタッチを決めた時。
いつでも、《ガルザーク》が側にいた。
《ガルザーク》の3点が負け試合をひっくり返してくれた。《ガルザーク》の除去能力がSTの負け筋を潰してくれた。「ゾルヴェール+ガルザーク」で盤面を破壊することは日常茶飯事だった。(剣が降ってくるのカッチョイイ)《バルガゲイザー》から捲れて宇宙を見せてくれた。《ボルガウルジャック》で暴れた後にこのカードを投げつけたらゲームが終わった。ガルザークの漫画を描いたらふぁぼが40くらいついた。
俺が何度《ガルザーク》を罵倒しても、《ガルザーク》は文句一つ言わずに俺に力を貸してくれていた...?
...そもそも、《ガルザーク》は本当に悪いカードだったのか?
カードパワーがべらぼうに高いことは間違いないが、それでも「壊れカード」ではなかった。《ガルザーク》は他のドラゴンがいなければ力を発揮できない。テキスト欄の隙間は無いが隙はある、そんなカードだった。全盛期だってバウンスすれば道を開けてくれたじゃないか?悪いのはガルザークではなくエマタイから突然現れる《アークデラセルナ》だったんじゃないのか?(リーフ脳)
...そして、《ガルザーク》は本当に本家をリスペクトしていないカードだったのか?
私は本家を慎ましいと表現したが、本当に本家は思慮深くて控えめだったのか?「本家は争いを好まない」というのは真実なのか?自分(てめぇ)が勝手にそう解釈していただけなんじゃないのか?ちくしょうちくしょう、チェス盤をひっくり返せよ。本家のデザインが「俺だけが暴れてテメエらの反論は許さねェぜ!」というものだったとしたら、デュエプレの《ガルザーク》はその傲慢さをより使いやすくアレンジしたと言えるんじゃないのか?魔改造ではなかったんじゃないのか?アイツも《ガルザーク》だったんじゃないのか?
ハッ!ンくそッ!なんだなんだ今のは?
俺は今、デュエプレの《ガルザーク》を肯定してしまった...?アイツはいい奴だと、そう思ってしまった...?馬鹿なありえない。俺は...俺はデュエプレの《ガルザーク》が嫌いなんだ。アイツを認めたくない。アイツは、《ガルザーク》では無いんだ...
それなのに、胸が痛い。豪快に相手シールドを3枚吹き飛ばすアイツの姿を思い出すと、胸が...痛いんだ。
これが、トキメキ...?
何、この気持ち...
教えてよ、ねえ。