前原メモ

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【ひぐらし奉】澪尽し編・表 感想

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前回

 

コンシューマ版限定の最終章「澪尽し編」を読み終わったので、感想をまとめました。

 

あまり評価が高くないシナリオですが、個人的には面白いと思いました。

前原圭一にスポットが当たり、主人公としての活躍を見事に見せてくれたというのが物凄く大きかったです。私は「祭囃し編」がすごく好きですが、「圭一空気だなぁ...」とは昔から思っていて。(主人公が梨花になっているので仕方ないといえば仕方ないのかもしれないですが)「澪尽し編」はその小さなモヤモヤを取り払ってくれたように思います。単身部活メンバーに挑み「次期部長」になり、梨花ちゃんと真正面から向き合う器量を見せ、沙都子、レナを窮地から救い出す...そんな彼の活躍はとても格好良く、また爽快感がありました。

また、圭一がこれほどまでに成長した理由がしっかりと描かれており、その内容が非常に説得力のあるものだった点も良かったです。圭一の過去の過ち、そして「罪滅し編」のワンシーンを見事に伏線回収するシナリオには感動を覚えました。

過去の清算という話では、沙都子の両親が他界した2年目のオヤシロさまの祟りについて言及されたことも印象深いです。多くの沙都子ファンが救われたのではないでしょうか。

 

園崎魅音、北条沙都子、入江京介の活躍も特筆すべき点でしょう。魅音は前編通して非常に見せ場が多く、特に茜との一騎打ちには震えました。茜に対し、「ならばしっかりその目で見ろ!次期頭首、園崎魅音の覚悟をなぁぁぁっ!!」と叫ぶシーンはゆきのさつきさんの迫真の演技もあり、本シナリオ屈指の名場面だと思います。(そのうち動画貼っつけます

圭一とのイチャラブも見ていて面白く、魅音の女の子らしい面がたくさん堪能できたなと感じます。「魅音上げが酷い!」という意見が少なからずあるようだが、恋愛描写に関しては別にいいんじゃないかな?と個人的には思っています。基本的に前編不憫だからね、魅音。悪いというならば詩音とレナの扱いがあからさまに「下げられている」ことだと思います(後術)

沙都子も魅音に負けず劣らずの大活躍でした。「皆殺し編」や「祭囃し編」同様に梨花や詩音との絡みに涙腺を刺激されてしまいました…。梨花を庇って人質になるという展開は予想できなかったです。悪戯ばかりしていますが、沙都子は本当は友達思いのいい子なんですよね…分岐ルートを全て読んでみるとBAD ENDに伏線があるんですが

...しかし、一番インパクトがあったのはてっぺい☆を普通に喧嘩で圧倒していたこと。これまでの病み沙都子は一体何だったのかという無双っぷりに笑ってしまいました( 鉄平は実はめちゃくちゃ弱いんじゃないか説が私の中で熱い。クスリやってる事実も出てきたし。

イリーこと入江の見せ場はやはりVS詩音、そしてVS小此木パート。冷静で大人な入江が感情を剥き出しにして叫ぶシーンは手に汗握ります。「祭囃し」ですら丁寧な物言いは崩さなかった人物なので尚更。大人勢はカッコ良さでいえば大石や赤坂が目立ちますが、入江も胸に熱いものを持っているんだよなと再確認。

あ、あと鷹野。負傷verの立ち絵が良かったです。

 

そしてもうひとつ。キャラクターの将来に触れる描写がすごくよかったと思っています。進路の為に勉強する魅音や、都会に出るかもしれないが最後には雛見沢に戻ってきたいと宣言する圭一。赤坂の言葉を受け将来の仕事を考える詩音。

祭囃しの梨花ちゃんも然りですが、ひぐらしは同じ時間を繰り返している話なので、未来はこうしたい、こうなりたいみたいな発言をされると感慨深さが限界突破するのです。

 

ただ、よくないところはなかったか?と聞かれると、残念ながらあったと答えざるをえません。

 

個人的に最も気になった点は、祭囃し編の焼き直しシーンが少なからず存在すること。大石の見せ場も赤坂の見せ場も裏山攻防も胸躍る名シーンだが、同じものを別シナリオで見せられるとさすがに飽きが来てしまいます。巴ちゃんが出てきたりと微妙に展開が異なっていたりはするんですけどね…

特に私は「奉」の祭囃し編を後回しにしたので「またこれ見ないといけないのか…?」とちょっとガックリ。山狗という一つの組織と戦うには大人の力が必要なのは明白なので、ある程度展開が似るのは仕方ないのかもしれませんが。

 

続いて、これは過去に投稿された澪尽しレビューのほとんどに書いてあることですが、やっぱり詩音、レナの扱いが良くないかな…。

圭一同様におぼろげながら別の世界の誤ちを引き継いでいるはずなのに、すぐに凶行に走ろうとしたり(詩音に関しては正規エンドでも罪を犯しかけている)人の話を聞かなくなったり。

…正直なところ、私は圭一が目の前の問題をひとつずつ潰していくストーリーそのものは好きです。最初に書いた通り、圭一の活躍は大いに気持ちいいもの。

だが、詩音やレナが好きな人のことを考えるとやるせなくなってしまいます。私も、過去に好きな作品で自分の推しキャラがあからさまに酷い扱いを受けたことがあるので。ラブライブ!サンシャイン‼︎の2期なんですけど。

特定のキャラをあげる展開は全然いいんですが、特定のキャラを下げて特定のキャラを上げる展開は苦手意識がありますね。

追記:レナに関しては裏・澪尽しで破格の待遇を受けていました。あちら、レナファンは必読ですね…!

 

あとは、梨花ちゃんがメインになるシーンが説明くさいというか、ちょっとくどい気がしたのは否めません。1人でかなり長く喋るし。加えて、ストーリーの都合上かなりネガティブなキャラクターになっていたので、読み進めるのが苦しい場所もありました。

梨花ちゃんの語りに反応して、和やかな雰囲気を作り出してくれる羽入の存在は大きかったんですね。

 

あと、ひとつだけ言わせてほしいのは、超常現象のごり押しはちょっとばかり見ていて苦しいw

 

総括。

 

面白かったけど気になるところは少なからずある。そんなシナリオでした。比率でいうと6:4くらいかな…?(超適当)

憑落し編や夏美・巴編が本編に負けないレベルで面白かったので、残念といえば残念。「澪尽し・裏」に期待!

…憑落し編はマジで傑作だと思ってます。アニメ化してください。

 

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